山陰山陽放浪の旅〜1日目

ねぼすけさんにつける薬

旅行に行く前日、先輩に付き合って終電(なんと23時20分!!田舎は何もかも早すぎですぜ)まで酒飲んでカラオケしてた。そして先輩の靴に吐瀉物をぶちまけたとかなんとか。ちなみに、同期は先輩の新車にぶちまけて頭の形が変わるほど引っ叩かれたらしいが、それは、また、別の話。

そんな事をしておきながら終電で開放してもらえたのは奇跡であろう。そして、終電で帰るや否や速攻で寝る。選択の余地なしである。平日は帰ったら勉強して寝るだけの生活だから、当然旅行の準備なんかがやってあるわけが無い。

……自分で書いていて情けなくなってきた。そんな無責任極まりない状態で旅に出るなんて、いったいこの男はどうするつもりなんだろうか。自暴自棄だったのかな。

翌朝、目が覚めたら朝10時。ああ。岡山に昼頃に着くとかぼうふら氏には言ってあるのに。仕方ないので、夜着く事にしてお茶を濁す。さて、今から準備だ。

結局、全ての準備を終えたのが昼頃。そして近鉄特急で一路、大阪へ。周遊きっぷは出発地と帰着地を同じ場所にしなければいけないので、大阪から買ったほうが何かと便利なのだ。というわけで、大阪までの二時間で、岡山や広島での行動予定をおおまかに決める。

後で調べたところによると、別に他の駅で買ってもいいらしいです。

きっぷの神様に嫌われる

さて、大阪。懐かしい。歩道橋も乞食も高野山の托鉢も相変わらずだ。変わったのは阪神百貨店の近くで大規模な建築工事が行われていることくらいか。でも感慨に耽っている暇は無いのだ。今の私は切符を持っていない。足が無ければ何もできない。早速確保しよう。そう思ってみどりの窓口へ行った。が……

何でこんなに混んでるんだ?

椅子に20人くらい順番待ちの行列。そして椅子に座れなかった人が立ちんぼで溢れてるし。こんなところで買ってたらいつになることやら。諦めて一路三宮へ向かうことに。三宮なら少しは空いてるだろう。

三宮で降りる。が、やはり空いていない。もうこうなったら昔の行きつけの床屋で髪を切るしかない。旅行に行く前の悪運が髪の毛に纏わりついているからこんな不幸な出来事が起こるんだ。祓わねば。

あきらかに学生時代より短く切った。髪の毛に気を使う必要がなくなってしまったんでね。もうハゲへの片道切符をゲットしたようなもんだ。そんなこんなでリフレッシュしてから神戸へ。ここは東海道本線の終点。そして山陽本線の始まりの駅。私は東海道と山陽の境目は大阪だと思ってたから、知ったときはずいぶんとビックリしました。知ったのが後輩製作のRPGゲームだというのもなんか珍妙な感じ。

ま、そんなことはどうでもいいんだ。神戸駅のみどりの窓口はがらんどう。そこで、すばやく用件を切り出した。曰く、「周遊きっぷを売ってくれ」と。そしたら受付の若い兄ちゃんは「?????」という顔。そりゃそうだ。俺もこの旅行を計画するまで知らなかった切符=認知度激低。そんな切符を、明らかに研修後まだ数ヶ月の兄ちゃんが知っているわけが無い。困ったなぁ。「知らんのかボケ!」と怒鳴り散らしても良いけど、私も新入社員だけに彼の立場は痛いほどよく分かるしなあ。

そう悩んでたら、さすが神戸駅。後ろから続々と駅員が現れ、その兄ちゃんにアドバイス。「めったに無いから、しっかりと覚えておけ」といいながら後輩駅員のフォローをする先輩。なかなかカッコいいじゃないですか。「ええ勉強になったやろ」と、俺と先輩駅員双方に激励された彼は、今後どういった道を歩んでいくのだろうか。いきなり神戸駅のような大きい駅に配属されるということは出世コースなのだろうか。だが、そんなことはどうでもいい。もう会うことも無いからね。

ま、それはさておき。無事きっぷをゲットした私は、一路鈍行で岡山へ向かうことに。途中姫路で一時間待ちという屈辱を味合わされましたが、それもまた良い思い出。

おなつかしゅうございます!

さて、岡山。ハレの国には似つかわしくない、あいにくの土砂降りでした。駅までぼうふら氏が迎えに来てくれるというので、喜び勇んで駅から出るが、誰も居ない。まさか捨てられたか。絶望しながら彼に電話をかけたら、なんと車で来ているとの事。しかも、タクシーローターリーの真ん中。こいつは相当度胸があるな、と思いました。と同時に、そんな危険な場所へ入り込んでくるなんて、私のことを思ってくれてるんだな、と胸が熱くなりました。ガリッとやっただけで合法的に数十万円を請求されますからね。

それはさておき。まず、岡山でビックリしたのが街宣カー。しかも政治団体じゃなくて風俗。実にいい街だな、と思いましたね。彼に聞くと「よくある」とのことなので、給料をそういったところに注ぎ込んでローン地獄になっていないか心配です。

車であちこち放浪した後、客が誰も居ないお好み焼き屋で食事をし、寝るために彼の新居へ。彼の寮は3LDKと聞いていたが、本当にそうだった。しかもバストイレ付き。家族向けに作られているため、みんなのパーソナルスペースも山ほどあるのだ。実に羨ましい。私の寮は一部屋しかなく、バストイレは共用。さらに同じ階に執行役員が居て、よくだらしない姿を目撃されている、と来た。彼と私の将来には大きく隔たりが出てきそうな予感がします。

その日は仕事の話をしつつぐっすりと眠らせていただきました。私のために布団まで用意してくれているなんて。持つべきものは友だな。

一日目の行程:四日市→(近鉄特急)→鶴橋→(大阪環状線)→大阪→(JR東海道・山陽本線)→岡山。2日目へ続く